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    • 2017.12.04 Monday
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    三浦房総大横断 (2014-09-06)

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       横須賀駅──。今までサイクリングで通過したことは何度かあるのだけど、列車で降りたのははじめての駅だった。JR横須賀線、ときどき見る横須賀行きという運用がなぜあるのか、あとふた駅久里浜まで走らせればいいのではと単純に思っていたけれど、この駅の配線を見てわかった。横須賀駅は2線ありながら、久里浜へ向かう線路──これはもちろんと言わんばかりに単線だ──につながっているのは1線だけだった。もう1線は駅舎の裏側に突き刺さるような終端線で頼りなげな車止めで終わっていた。こちらのホームに車両が止まっていた。横須賀行きとしてやってきた列車なのだろう。
       僕は品川から乗った東海道線から戸塚で横須賀線に乗り継ぎ、この駅で降りた。朝が早く、こういった乗り継ぎをしなければ待ち合わせの時間に来られなかったからだ。今日はYさんご夫妻、それからUさんT君と一緒に走る。

       駅前に出るとすでにYさんご夫妻は到着済みで自転車も組みあがっていた。その横でぼくもいそいそと自転車を組み上げる。そのさなかにUさんとT君が到着した。おそらく僕と同じ列車で来たのだろう。たまたま僕が改札に近くふたりは遠かった──横須賀線は11両もあるから乗る車両が違えば輪行袋を抱えていると改札を出るのに3分の差だって生まれそうだ。
       みんなでてるてる坊主に頼ったりまじない言葉にすがったり……、判で押したように天気が悪化する今夏の週末は、この日だって同じだった。薄雲のもと揃ったメンバーで駅前のロータリーをひと回りするように出発した。

      (本日のルート:GPSログ)


       まずは横断ルートを取るために久里浜港へ向かう。三浦を走り東京湾をフェリーで渡り房総を走る。その三浦編はまず観音崎を目指した。
       できるだけ海に近い進路を取った。よこすか海岸通りから国道16号へ向かう。かつてこの冬に三浦半島を巡ったときにも使ったルートは、公園の岸壁からそのまま海へとカメラを落とした僕のあまりうれしくない記憶もよみがえった。
       道は4車線が2車線になりやがて1車線になる。ソテツの並木の下をいいペースで走るので頑張ってついていった。軍港から商業施設街、公園からやがて磯へとめまぐるしく風景が展開した。そんな道を走っているとそろいのウェアを着たロードのふたり組が颯爽と追い越していった。
       観音崎の手前、走水で国道16号の1キロポストを見た。確か前にも見たことがあった。総じて250キロ近くにも及ぶ国道16号の起点はここ走水にある。メーターの距離計を見ながら、そして青看の表示がおにぎりの16からヘキサの209に変わる場所で、ゼロキロポストを見回してみた。しかし見つからなかった。いつもだ。いつも探していつも見つけられない。──何よりそもそも、僕は国道16号のゼロキロポストが設置されているのかすら知らないのだ。まあいい。観音崎に向かって気持ちよく海岸線サイクリングを楽しんでいるなかで国道16号のゼロキロポストを血まなこになって探しているなどとはみんなには言わずに黙っておいた。
       観音崎で小休止をしたあと浦賀の入り江を大きく迂回しながら久里浜へ向かった。目指すフェリーは9時25分発、9時過ぎにつければいいだろうと考えていたらそのとおりの9時05分に着いた。すでに多くの車やバイクが列を成していた。
      「乗るのぉ〜? 早くここに並んで!」
       乗船整理をするおじさんが遠くから僕らに大きな声をかけた。なんで? まだ時間あるじゃん──。そう思いながら窓口へ向かった。乗船券を買い乗船の列に戻るとそのまま進めと言われた。自転車、バイクはいちばん。後ろを振り向くとたくさんの車、車の量が多いから最初に乗せるバイクや自転車を遅滞なく乗せてしまいたかったのだろうと思った。
       定刻に出航。およそ40分の船旅が始まり、久里浜や浦賀、横須賀の風景がみるみる小さくなった。






       こんなにも晴れる予報だったのか──。
       朝、横須賀で見ていたうす曇を忘れさせるほど次第に空は青みを増していった。同時に路面には僕らの影が色濃く落ちるようになり、もともと高かった湿度もあってだんだんとうんざりするような暑さになった。ついついボトルに手を伸ばした。
       保田、勝山、富浦と国道126号を南下した。
       単線の内房線が国道に並走している。藪が多くてよく見えないけれど僕らを抜かしていく電車の音が聞こえた。
       国道は緩やかなアップダウンが続き、それにあわせるように小さなトンネルがいくつも現れる。緩やかに坂を上り、トンネルをくぐり、また坂を下る。この繰り返しだ。
       径が小さいトンネルは背の高い大型車が中央寄りを通らなくてはならず、すれ違いが困難な場所もあるようだった。実際この日は土日でダンプも多く、対向車の大型がこちらの大型の通過をトンネルに侵入せずに待っていた場所があった。
       かつて日曜日に走ったときのことを思い出してみると日曜日のほうが圧倒的に大型車は少ない。

       それでもそれらの緩い坂やトンネルや大型車はほとんど気にならなかった。信号も三浦半島に比べたら圧倒的に少ない。だから道路自体は快適だった。快適性を失わせるのはどちらかというと蒸し暑さだった。知らぬまにじわりじわりと体力を奪った。必要以上に汗をかかせ、バテを起こさせた。
       途中海岸に下りて小休止をした。砂浜のなかにぽつんと立つ自販機を見つけたので補充しようかと見ると、どうやら自販機自体が動いていなかった。真新しい自販機がなぜ動いていないのか疑問でもあったけれど代わりの自販機はなかった。
       さらに国道を南下すると道は館山の中心街に入った。沿道は華やかさを増し道路から大型車は消えた(おそらく彼らはバイパスに向かいたかったのだろう)。そして再び海を見ながら休憩。ここで僕のボトルは底をついた。
       海には帆をたたんだおおきな帆船が止まっていた。











       房総を横断するために館山から内陸に入った。

       房総を東西に抜けようと考えたとき、必ず坂は避けられないものだと思っていたけれど、このルートに坂はなかった。ちょうどJR内房線に沿うルートでもあり、坂を嫌う鉄道が選んだルートなのだなと思わせた。
       Yさんの奥様がこの道近くにアイスを出してくれる牧場があると調べてくれた。それもあってこのルートを選択していた。JR内房線九重駅近く、県道を折れて入った道は緑のなかのいい道だった。緩やかなカーブが僕の好みでもあった。でもカラダにまとわりついて離れない蒸し暑さのせいで好みの道の喜んでいられる状況ではなかった。
       牧場に着くとアイスを頼むより先に空調のふき出し口の近くでカラダを冷ました。








       お昼を食べよう──、そう思った。
       空腹感からみればハンガーノックではないと思えたけれど、バテがひどい。どちらにしたってこれは食べなきゃと思った。
       Yさんの奥さんがいくつかめぼしいところは調べていてくれるけど、ここだと決めているわけではなかった。複数候補の中から僕が勝手に選んだ。いちばん近そうなところを選んだ、。
       千倉の町の真ん中だった。そこは以前訪れた千倉林道の入り口近くだった。そこもいい林道だった房総は林道の宝庫だ。林道にもまたコースを引いていってみたいと思った。



       かくして千倉からは外房の海、ここからは大海原太平洋だ。
       アタマにその意識があるせいなのか、それとも実際に何かが違うのか、さっきまでの内房の海(東京湾)とは違うように感じる。
       それはそうと食事をしながらたっぷりと休息したにもかかわらず夏バテに似た疲労はちっとも回復していなかった。相変わらず湿度は高いし気温が下がる気配もない。走り始めてすぐの自動販売機で飲みものを補充しそれを飲むのだけれど、それゆえなのかすらよくわからなかった。考えてみたら今年は自転車自体、乗る機会がぐんと減ってしまっているのでどんな気候だろうがどんな状況だろうが、今のカラダでは疲れてしまうのかもしれない。
       ──どこまで行きましょうか?
       この日の上がるべく駅を相談した。考えてみたら今日はずっと内房線沿いを走っている。鉄道沿いにサイクリングすることはいつでも上がれる気持ちの余裕ができていい。ここからだと千歳、南三原、和田浦という駅が近いところ。とはいえ内陸を抜けてこうやって外房に出たわけだから、外房の海沿いを走って向かう和田浦駅を終着点とした。



       外房の海を右手に眺めながら駅へと向かった。とはいえこの方角へ向かったから海から吹きつける向かい風に最後まで吹かれる羽目になった。

       和田浦駅──。
       海を遠望する静かないい駅だった。
       30分ほど列車まで時間がある。輪行パックし缶コーヒーを飲み、駅前をぶらぶらしたり海風をうけてぼうっとしたり思い出したように写真を撮ったり、そんなことをしつつバテたカラダを冷却しているうちにその時間も使い果たした。時間になると両方向から館山行きと安房鴨川行きの列車がゆっくり入ってきた。



      ご一緒いただいたUさんのブログはこちら
      例によっていただいた写真も使わせていただきました。

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