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    • 2017.12.04 Monday
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    土山峠・宮ケ瀬・愛川

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       本厚木って、こんなに発展している街だったんだ──。
       小田急の電車の行き先でその名を知っていたこの駅で降りたのは初めてだった。一部のロマンスカーだって止まるし、そりゃ小田急のなかでもそこそこの街だろうと思ってはいたけれど、駅ビルや周囲のビルに取り囲まれ、ちいさく切り抜かれた空を見て驚いた。新宿から急行に乗りっばなしで一時間もかかる場所なのだ。わが東武線だったらどうだろう、北千住から一時間も乗ったら果たしてどこまで行ってしまうだろう。館林? 栃木? いずれにしたってこんな都市じゃない。
       そんなわけで自転車を組む場所を戸惑いながら探し、出発した。複雑に接合する小路のなかからガーミンの示す道を選び、進んだ。

       神奈川県は、考えてみたらあまり走りに来たことがないかもしれない。
       冬の寒い時期、暖かな日差しを求めて三浦半島に赴くことはあるのだけど、この相模エリアはほとんど足を踏み入れたことがない。僕は宮ヶ瀬湖を目指すために、県道603号から県道64号に乗り換えた。
       でも宮ヶ瀬は初めてじゃなかった。
       もう10年くらい前だろうか、季節さえ覚えていない。そのころ書いたブログが残っていないだろうかと探してみるけれど、それも見つけられない。どこからかやって来て、宮ヶ瀬湖へ向かい、どこかへ抜けた。記憶の片隅に残っているのは、昭和風味の書体で書かれた七沢荘という看板と、途中の土山峠で写真を撮ろうとその名を探し、バス停で自転車を写真に収めたこと。往復とも輪行しているはずだけど、どこの駅から走り始めてどこの駅で終えたのか、全工程がどういう旅だったのか全く覚えていなかった。

       厚木市内を走っているころからそうだったのだけど、幾人かのロードが僕の後ろに姿を見せ、やがて追い越していった。それは土山峠に向かう上り坂に入っても変わらなかった。むしろ増えていた。
       バーエンドに付けたミラーでは確認しきれないから大きく後ろを振り返ってみる。すると自転車が一定の間隔を置くようにして連なっていた。それはまるで障害が発生して遅れの出た朝の上野東京ラインのようでもあったし、日曜夕方の羽田空港上空に隊列を作る着陸便のようでもあった。
       僕はその後続をみな見送り、やっとのことで土山峠へたどり着くと自転車を投げ出してその場ヘ座り込んだ。ドリンクを口にする気にもなれなかったので、峠を走り抜けていく自転車をしばらく眺めていた。ひとりで黙々と上る人、チームで隊列を作り乱さぬまま下りヘ突入していく人たち、高回転でペダルをまわし談笑しつつ走り抜けていった女子ふたり、なかにはこの峠の目の前でUターンしそのまま下っていく人もいた。そして僕のようにこの場で立ち止まる人は誰もいない。みな行き過ぎるばかり。
       土山峠を出て宮ヶ瀬湖を下に眺めると、ほかのダム湖もそうであるようにここも水がなかった。枯れて奥のほうでは底が見えていた。宮ヶ瀬湖をいくつかの橋で渡る。ふだんならここまで水があるのだろうと、木の生え際で想像がつく。そこからどれだけ水位が下がってしまっているのだろう、はるか下のほうに水があった。
       土産物屋や食堂が文字通り軒を連ねる場所は宮ヶ瀬湖の観光スポットだろうか、立ち寄ってみるとその場の風景にかすかな記憶がよみがえってきた。小腹は空いていたけれどしっかり食べたいほどではなかったから、缶ジュースを買い、コロッケを売る店があったのでコロッケを買って食べた。


      (誰も写真など撮る人のいない、土山峠)


      (水の少なくなった宮ヶ瀬湖)


       しばらくの休憩ののちに今度は東側への道を下った。愛川町に出る。清川村とか、愛川町とか、鉄道に駅がないと馴染みがなく、ぴんと来ない地名だった。
       町のなかに入っていくと、どことなく懐かしい、少しだけむかしの風景が残っていた。コンビニではない商店があった。美容院というよリパーマ屋と言ったほうがしっくりくるカットサロンがあった。電気屋さんがあった。町はこじんまりと集まっていて、ゆったりそのなかを走り抜けた。
       町を抜けると真新しい道路に出て、いつの間にか見渡す限りの緑のなかに僕はいた。町を走っているときからずっとそばに川が流れていて、バーベキューや河原遊びを楽しんでいる場所もいくつかあった。カラフルなパラソルやタープが立ち、子供たちが川のなかで泳いでいた。場所が変わると今度は長い釣竿がいくつも並んでいた。僕は橋のひとつで立ち止まって、地図を見てみた。中津川というらしい。釣竿はアユを狙っているそうだ。
       神奈川県でこんな場所があるのか──。
       僕は走りながらその緑の深さに驚いていた。
       厚木からそう離れていないのだ。川を渡っていけば相模原なのだ。


      (素晴らしき愛川町の緑)


      (流れる川も涼し気)


      (その上を行く美しい道路)


       さんざん緑のなかの道を楽しんでいたらいつの間にか開けた街なかに出ていた。やっとお腹もすいてきた。食事を済ませ、朝出発した本厚木の駅に再び戻ってきた。

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