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    • 2017.12.04 Monday
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    久しぶりにヘルシーロード

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       午後や夕方には用事のある日が続いて、出かけてもパッと帰ってくるサイクリングが続く。輪行や車載である程度の遠出を考えても、行き帰りで時間を食われてしまい、サイクリングが短くなってしまう。
       まあそれでも近所を走るよりはどこかへ出かけて、と思うときもあるし、昼過ぎに帰ってこられるようにと近所を走ってある程度楽しんで帰ってこられればとプランニングすることもある。
       今回は後者だ。



       ヘルシーロードは身近だ。
       越谷の僕からすると見沼代用水の東縁(べり)であれば30分もすれば入り込める。西縁まで出かけても1時間はかからない。
       僕は東縁を越えて見沼田んぼのなかの熊野神社をながめ、芝川を渡って西縁に出た。そこから北上。見沼代用水は東縁であれば西縁であれ、それほど走りやすい道でもないと思う。住宅街のなかを縫うように進むから道もわかりにくいし見通しの悪い交差点も少なくない。走りやすくなるのは上尾市瓦葺で合流してからだ。
       僕は一度ヘルシーロードを離れ、さいたま新都心の駅前から大宮駅前に向かった。
       氷川神社の参道から大宮公園のなかを抜け、また西縁に戻った。

       西縁を走ったのはいつだろう。東縁を走ったのがもう一年半前の桜の季節。西縁にいたっては記憶になかった。
       JRの東大宮車両基地をまたぐ。橋は歩行者自転車専用。そういえばここに留置されている電車たちは変わったかな、と眺めてみると大半が185系だった。時間的にたまたまだったのかもしれないけど、ほかの車両はいないのかな、見たかった。


      (見沼田んぼのなかにある熊野神社)


      (氷川神社にも行ってみた)


      (東大宮JR東日本車両基地)


       途中コスモスがこれでもかと言わんばかりに咲いている畑があった。遠くにテントが見え、何かイベントの準備をしていた。どうやらコスモス祭りをこれからやるらしい。お祭りにふさわしい、圧倒されるほどの広さだった。
       しかし朝から厚い雲に覆われて肌寒い。一度ポツリポツリと雨が落ちてきたほどだ。そのなかで準備を進めていた屋台は「かき氷」の幕を下げていた。この気温、入りはどうなんだろう。

       しかし進まない。
       若干強めの向かい風ではあったけれど、まったく進まない。スピードに乗れない。みんなそうなのかとも思いきや、同方向に走る幾人ものサイクリストにどんどん抜かれる。そしてその速度差は歴然だった。追いつけるはずもない。


      (満開のコスモス畑)

       進まないと感じるサイクリングほどつらいものはない。
       それでも人に無理に引っ張られないよう気を付けながらようやく利根大堰にたどり着いた。利根川の大きすぎる流れにはいつも、しばし目を奪われる。

       船に乗ろう──。
       僕は利根川の土手に上がってサイクリングロードへ入ると、5キロくらい上流にある赤岩渡船の船着場へ向かった。


      (赤岩渡船は埼玉・群馬両県で途切れている県道を結ぶ航路のため、無料)


      (自転車をそのまま載せてくれ、群馬県側へと運んでくれる)


       そろそろ、一日ゆっくり時間をかけたサイクリングに行きたいところ……。



      秋ヶ瀬公園と農家レストラン

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         土曜日は、いい天気だった。
         荒川に出向いたのはいつ以来だろう。
         車に自転車を積んで、秋ヶ瀬公園の駐車場に向かう。以前荒川に来たときもそうした。なのにほとんどの記憶がないから役に立っていない。おぼろげな記憶は、秋ヶ瀬橋からではなくて羽根倉橋から公園に入ったこと。それから迷うことなく駐車場に車を置いた事は覚えている。

        ***


         天気がいい。まきしく五月晴れ、湿度も低くて気温のわりに過ごしやすい。
         まずは南へ走った。彩湖をひとまわりしようと思った。
         秋ヶ瀬公園のなかを抜けていると、ドラムセットを組み上げ練習している人がいる。そうだったそうだった、楽器の練習──特にドラムが多いんだ。ドラマーは決まった駐車場で練習する不文律があるのか、まるで競い合うようにその一角で何人ものドラマーがテクニックを披露していた。

         彩湖は自由な空間。
         ランと自転車を多く見かけるけど、家族連れのピクニックも大勢いて、遊ぶだけからお弁当を広げたリバーベキューをしたり。もちろんバーベキューは家族連れだけじゃなく老若男女。池に目を向ければ──そう、名前は彩湖だけど、じっさいのところは池──、スタンドアップパドルのおじさん、ぷかぷかと風に吹かれるヨットはラジコン。
         水は汚いけれどきらきらと光を受けて輝く湖面をながめながら一周し、戻ってまた秋ヶ瀬公園のなかを走った。
         ドラムはセットが増え、競い合うテクニックもさっきよリレベルが上がっでいた。

         一度羽根倉橋から街なかに出た。細い路地をほんの少し走ったところに舟和の工場があった。芋ようかんの舟和だ。
         こんなところにあるのさえ知らなかったけど、前日に地図を見ていたら気づいたのだ。少し興味を持って検索してみると工場内の販売所もある。
         そんなわけでGPS マップにインプットしてきた。
         芋ようかんとあんこ玉を買った。
         みんな大好きなんだろうね。客足が途切れない。僕はどちらかというと自分のなかでそれほど重要な位置を占めているわけじゃないから、「舟和で芋ようかんを食べた」という事実を得るようなものだ。──もちろん美味しかった。

         お昼はサイクリングロードを外れた。
         羽根倉橋を対岸に渡り、右岸(富士見市側)をしばらく走った。のちに土手を降り、田んぼのなかの里道を走る。田んぼは田植えを終え、まだ短い稲が風になびいていた。

         農家レストランに行こうと思っていた。
         農家レストランとは、農家が自ら生産した農産物や地域の食材を用いた料理を提供するレストランとしてさいたま市が定めている。市内にいくつかあるようで、そのうちのひだまりというお店に寄ってみた。
         ここにはメニューはない。
         ランチ、それだけ。
         しばらく待つと、野菜がふんだんに使われた食事があらわれた。量は多くない。少食の僕にはかえってありがたいし、野菜好きの僕にはうれしい昼食だった。調理は素朴。でも美味しい。食後にコーヒーももらえて860円だった。

         ひとつ寄ってみたからにはほかの農家レストランにも行ってみたくなった。調べてみよう。今日のように車に載せて秋ヶ瀬まで来てもいいし、この距離だったら家から自走してきたっていい。

         食事を終えたら少しだけ北上して治水橋で再び左岸へ渡った。
         治水橋の周辺は大半がグランドで、野球場やサッカー場が豊富にある。そしてその多くで野球やサッカーをやっていた。
         僕は道から見えるそのひとつで立ち止まり、しばらく野球をながめていた。
         内角のストレートを見せられたあとの縦に曲がるカーブに詰まったピッチャーフライで飛び出したランナーも刺され併殺。あっという間にチェンジになり守備チームがベンチに引き揚げてくるのを見て、僕もペダルを踏んで帰路のコースを走った。





        八高線自転車さんぽ

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           JR八高線は県東部に住んでいる僕にとってなじみの薄い線だ。日常生活で出かける場所ではないし、仕事でも訪れる機会がない。かといって遠出のおりに利用するかというと八王子から高麗川、高崎と結ぶ路線は都心から放射状に延びる幹線と違い、遠出の目的には合わない。だからこれまでだってせいぜい四度、五度しか乗ったことがなかった。
           小学生のときに近郊区間大回り乗車をしたときに乗ったのが初めてだった。そのころはまだ近郊区間が群馬県の倉賀野までは広がっていなかったので、大宮から川越線に乗って高麗川で八高線に乗り継いだ。当時はまだどちらも気動車が走っていて、僕の記憶に頼るなら、川越線でキハ30で、八高線でキハ20に乗ったように覚えている。当時の川越線は大宮から高麗川を走っていて、八高線は八王子と高崎を行き来していた。東北新幹線の開業に合わせて埼京線ができると、川越線は都心から大宮を経由して川越まで結ぶようになり都心と川越、川越と高麗川に分断された。やがて八高線も八王子と高麗川のあいだが電化され、今は八王子と川越のあいだ──つまり八高線と川越線にまたがって──直通運転している。拝島経由で中央線の東京から高麗川までやって来る列車もある。高麗川から高崎ヘは非電化のまま残り、キハ110の気動車で区間運用している。

           平日、仕事に向かう途中のJR駅で、「八高線さんぽ」という冊子を手にした。
           僕は駅のラックにあるこういった冊子や情報誌が好きで、よく手に取ってみる。サイクリングのネタにしたりもする。
           拝島から東福生、箱根ヶ崎、金子、東飯能と高麗川という電車区間での見どころを紹介していた。
           行こう、と土曜日の朝急に思い立ち、冊子を開きながらルートを引いてみた。

           飯能市内の公園を起点にした。
           入間川を渡り、西武線元加治駅の脇を抜けてまずは高麗川へ向かう。道があまり広くないわりに交通量が多い。できるだけ地元道や里道を選んだつもりではあったけれど、住宅街がどこまでも発達していて、車も奥まで入ってくるようだ。
           それでも選んだ里道が当たるとうれしい。菜の花畑を抜け、ちいさな林のあいだを抜けていく。小ぶりな踏切で八高線を渡った。
           最初に訪ねたのは冊子でも大きく取り上げられていた高麗神社だった。
           自転車を止め、参道を歩いた。光の良く差し込む神社で、うっそうとした薄暗さはなかった。お参りをして自転車に戻る。
           四里餅(しりもち)が食べたくなった。
           このあたりの銘菓なのか、道路わきの看板をよく見る。テレ玉だかJCOMだかでも目にしたことがあった。店を調べてみると、もともと引いてきたコースから少し外れる程度で立ち寄れることがわかった。
           菜の花がきれいに咲き誇っている巾着田のわきを抜け、橋を渡るとバーベキューをやっている飯能河原が見えた。西武線、高麗駅の踏切を渡る。ここもまた小ぶりでかわいらしい踏切は僕好みの光景だった。しばらく待って、踏切が鳴りここを列車が通過して駅のホームに入っていくのを見てみたい衝動に駆られた。
           でも、先に進む。
           踏切からまっすぐ進む道は里道にも似た風情になった。もうここは引いてきたルート外。方角の見当をつけ、その里道を上った。坂でどんどんと小高い丘陵部を上ると奥武蔵の山の連なりが見えた。常緑と新緑がまだらに山を染め、でたらめなパッチワークになっていた。あの山は奥武蔵グリーンラインの通っているところだな、と思いだした。
           里道はそれほど距離もなく住宅街の裏手に出た。そこには区画整理された、大きな家の多い立派な宅地が広がっていた。僕は驚く。ここは飯能よりも先、坂の多い街でこれだけの宅地が広がっているということに驚いた。そのなかの坂道を上り、そして下った。下りきったところで県道にぶつかった。
           四里餅は見慣れた文字の看板ですぐにわかった。ここが本店らしい。僕はおみやげ用に四里餅とまんじゅうを買い、ここで食べたいと四里餅を分けてもらった。するとさらに載せてお茶と一緒に出してくれた。
           いすに座ってお茶をいただいていると、ひっきりなしに客足が続く。



          (こういう道を走ると楽しい。もっとたくさん見つけたかった)




          (高麗神社、明るくてすがすがしい神社だった)



          (四里餅、買ったその場でいただく)


           一度飯能の町近くまで下り、また坂で丘を越える。けっこうな坂が続いた。そういえば2年くらい前に八高線の電車に乗って先頭を眺めていたら、東飯能を出てぐんぐん坂を上り、金子、箱根ヶ崎に至ったなあと思いだした。ちょうどその丘越えをしているのだ。
           高台に出るとそこは一面茶畑になった。まるできれいに刈りそろえられた庭木のようだった。茶畑のなかを抜け下り坂を下っていよいよ福生に近づいてきた。八高線の線路を渡り広い基地があらわれた。金網越しにそのようすをながめてみても、静かに落ち着いたそこは旅客機の空港と違いがわからなかった。
           横田基地周辺のアメリカナイズドされた町並みは楽しみにしていた。ただ僕の下調べが悪かったのだろうが、そういう場所の多くをめぐることができなかった。やはり朝思いついて突如ルートを引いたってだめだ、情報が少なすぎる。基地沿いの道に並ぶいくつかの店をみただけであとは特徴的なものを見つけ出すことができなかった。外人は、多かった。どちらかというと八高線の線路が基地の敷地のなかを通っていて、一箇所の踏切が僕らなどふつうの人には渡れないものだった。へえおもしろいって思う。帰りの電車から眺めてみよう。
           東福生の駅から輪行をしようと思っていた。少しだけ遠まわりをして福生の駅前までまわってみる。こちらはJR青梅線の駅。しかし福生に近づけば近づくほど、日本の街なみになった。住宅街だった。情報が足りない。八高線さんぽの冊子は背のリュックに持ってきているのだ。立ち止まって開いて見てみればいい。しかしサイクリング中に荷物を取り出すというのはおっくうになっていけない。


          (きれいに刈りそろえられた茶畑)






          (本日は、ここまで)


           輪行をする。たったふた駅だ。
           ふた駅だから走って戻れる距離ではある。でもいい。
           八高線さんぽにやって来たのだ。自転車に乗り、電車にも乗ろう。

          早咲き桜

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             桜の開花予想というとソメイヨシノを指していて、早咲きの桜というとそれより早く咲く桜を指すのだろう。
             河津桜など僕でも知っていて、見に行ったことはないのだけど大変な混雑だそう。季節外れの夏に河川敷を通ったことはある。ここが大混雑とは相当な人出なのだろうとそのとき思った。
             埼玉県内にも河津桜があって、すみよし河津桜と言うそう。坂戸で咲くようで、これもまた僕は見たことがない。──埼玉県内横移動は都内に出るより大変なのだ。
             もうひとつ、おそらくほとんど知られていないと思う早咲きで安行桜という桜がある。
             3月27日、これを見に行ってきた。

             安行は植木の町。名は知れていて、川口市にある。広い川口市でも東川口に近い場所なので、僕の住む越谷からそれほどかからずに行ける。往復したって30キロ前後だ。
             密蔵院というお寺の参道と境内にあるのみなので河津桜のように一帯が桜に覆われるという凄みはないけれど、小ぢんまりした桜のトンネルでもかなりの圧倒感がある。境内のしだれ桜も美しい。

            ***


             もちろん、出遅れたのはわかっていた。
             ソメイヨシノより10日から2週間近く前に咲くのだ。もうソメイヨシノも咲き始めている。
             風が吹くと花びらが舞った。足もとにはすでに散ったピンク色の花びらが落ちている。ピンク色も色あせているように見えた。
             それでも桜のトンネルは静かで優雅だった。
             僕もこの桜を知ったのはつい2年前。おもしろいのは関西の方に教えてもらったってことだ。




            ひまわりを見に行く

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               ひまわりを見に行こうと思った。
               突発的に思い立った。だからひまわりという花の最盛期も知らないしどこに行けば見られるのかも知らない。
               そんな思いつきではたいした情報が得られるわけでもない。ネットでは似たり寄ったりの情報ばかりが出てくるなか、それでもそのうちのひとつに行ってみようかと思う。

               出かけようかとの意識はあったものの、結果的に昼になってしまった。
               最初から上手に一日の時間の使いかたを考えていない日ならば、多くはそうなる。
               昼食は家で済ませようと、家にあったパスタを茹でた。茹でながらソースを探した。カルボナーラとたらことミートソースがあった。僕はスパゲティはトマト系のソースで食べるのが好きだしカルボナーラとたらこはこのとき興味もなかった。しかしミートソースは2人前で持て余すことがわかった。そういえばそうだ。なぜミートソースの既製ソースは2人前や3人前なのだろう。ほかはどれも1人前なのにおかしいと、いつもスーパーの棚を前に思う。やる気をなくしかけたときナスを見つけ、これを使って自分で作ろうと思った。ナポリタンにしようと思いナスをオリーブオイルで炒めた。たまねぎも見つけたのでこれをきざんで入れた。ベーコンでもあればいいのにと思ったけれどさすがになかった。ケチャップを絡めそこに茹で上げたパスタ麺を入れた。
               食べながら決めた行き先は柏のあけぼの山農業公園だった。
               ルートラボで地図を引いてみたら、野田橋から江戸川サイクリングロー入り、そこから利根運河を経由して利根川へ抜けるルートがいちばん早そうだった。何よりわかりやすい。柏市が整備した利根川のサイクリングロードこの終端になる新利根川橋から少しのアプローチでいけることがわかった。
               よし行こう。このまま三連休を終わらせてもいけない。輪行仲間のUさんは先週、米沢から桧原湖へ抜ける西吾妻スカイバレー(=白布峠)──それはぼくがずっと行きたい行きたいと言い続けながら実現できていない場所──を走ってきているのだ。そのあいだいったい僕は何をしていたっけ──もう思い出せないほどになっていることも事実だった。僕はシンクに溜まっていた朝からの洗いものと自分が使ったコーヒーや昼食の洗いものを済ませ、引いた地図をハンディGPSに取り込んだ。

               久しぶりにやってきた江戸川はずいぶん水かさが増えたように見えた。ここのところ続くゲリラ豪雨のせいだろうか、流れの重い江戸川に沿って南下をした。
               サイクリングロードを走るのは久しぶりだった。僕は河川敷をゆくサイクリングロードがあまり好みではないのでなかなかルートに組み込むことがない。午前中重い雲に覆われていた空が少しずつ晴れてきたからか、すれ違う自転車の数も多かった。
               玉葉橋を過ぎて少し、利根運河の流入地点から利根運河南岸を行く道路に入った。







               利根運河沿いは緑が多くのんびり走る気分にさせてくれる。実際、歩いている人も多いし小砂利を固めた路面はロードのタイヤには不向きだ。振動も多い。結果的にのんびり走るしかない。そしてしばらく走っていれば利根川に出る。
               利根川に出ると一瞬にして風景が広がった。ちょうどその背丈を伸ばしきった稲が辺り一面植えられた田は緑のじゅうたんだった。南風が吹き始めた。それでも午前中少し出たときに比べれば蒸し暑さは和らいでいた。



               新利根川橋をくぐり、田んぼのなかの道へ移った。もうすぐそこだ。まるで田んぼのなかの高速道路じゃないかと思わせる田中の農道をタイミングを見て横切りさらに進むとあけぼの山農業公園の文字が現れ始めた。
               やがて写真でだけ見たことのあった風車を望む公園に出た。
               ひまわりは最盛期なのだろうか。圧倒されるほどだった。何枚も写真を撮り何べんもその風景を眺めた。

               昼からでも重い腰を上げて出てきてよかった。








              さび落としは通行止めで……

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                 もう自転車に乗らずにどれくらいになるだろう。今年の冬は寒い。そして長い。
                 ひどい寒がりで末端冷え性の僕は身体を動かして温まってきたとしても、手先足先が温かくならない限り寒いと感じてしまうよう。それゆえに身体は汗をかくほどなのに寒い寒いと口にしていることがよくある。寒いのだ。
                 だから朝は氷点下、日中6度7度くらいまでしか上がらない天気予報を見るたびに「ああ、もういいや」と投げ出しちゃうことの繰り返しだった。
                 ──そのくらいの気温であれば輪行に出かけていた年だってそれなりにあったと思うんだけど。
                 前回乗ったというのが関東鉄道常総線沿いの散策をしたときだから、もうひと月半だ。

                 いくらなんでも身体もさびてきているって。
                 日中の少しでもいいからどこかに行こう──。
                 日が高くなって午前中の珈琲を終え、やっと気持ちに踏ん切りをつけた。

                 思い付きからバタバタと準備を始めて10時半。自転車を車に積んだ。佐野、葛生へ行こう──。身体のさび落とし、坂の感覚も忘れているから。

                 葛生で車を置き、自転車を下した。

                 まず唐沢山に上る。
                 田沼まで南下し、北斜面から上る。
                 唐沢山は県道が一本、南は佐野から北は田沼から、山頂を経て貫いているのだけど、この道が2本の県道であるところが面白い。南が県道141号、北が115号。僕はこの県道115号で上っていく。

                 鳥居の前から坂道になる。気持ち緩いかなと思うのは最初のうちだけ。つづら折りが始まるとともに急な傾斜が山はだに張り付いている。
                 そんな坂を上っていくから、あっという間に田沼の街が小さくなっていく。
                 そして僕はここを何度か訪れているけれど、いつだって見通しが良くなかったことに気づかされた。
                 日光男体山が見える──。

                 僕は坂の途中で立ち止まって写真を撮った。1月にコンデジを海に落としてしまって以来、カメラというカメラを持ち歩いていないのでケータイで取るしかなかった。日光連山がまるでパタゴニアのロゴのように山稜を美しく見せ、そこからひとつ突き出るように男体山が存在感を示していた。独特の雪渓がはっきりとわかる。カメラにきれいに映り込まない山々を残念に思いながら、人間の目のすごさにも恐れ入った。



                 唐沢山の山頂は思いのほか車やバイクの出入りがあった。
                 みんな寒いのによく来るなぁと思う。しかしもう寒くなどないのだ。寒い寒いと身体が冬眠状態にあるのはきっと僕だけなのだ。
                 駐車場の日なたを選んで歩くネコを見て春が来るんだなと思いつつ、出発することにした。なぜネコで春なのか──よくわからなかった。

                 下って佐野の犬伏町。日光例幣使街道で旧宿場町でもある。
                 そこから県道58号に入り栃木方面へ向かった。太平山の裏手をまわり、東北自動車道に並行しながら進む。
                 県道282号が交差するので葛生に戻るためにはここを越えてもよいのだけど、栃木市の柏倉まで行くことにした。柏倉から葛生に抜ける県道210号がある。この辺りでは標高のある山道だけど、ピークに峠名はないよう。ピークから登山道を通っていくことで琴平神社なる神社に行けるようで、この道へ行く人たちが「琴平」と呼んでいるのを見たことがある。

                 途中廻峠という峠があるのを知った。山越えという感じじゃない。丘陵部があるという程度。でも考えてみたら東北自動車道もここの坂で渋滞発生ポイントになっていたな……などと思い出した。走っている最中、ここに峠の名がつけられていることは知らずにいた。

                 県道210号に入りその通称「琴平」の山道へ向かった。
                 山道のつづら折にはご丁寧にカーブ1から順に標識が立てられている。確か葛生側の最後は38だったか。これまたご丁寧にピークはちょうど半分の19だった記憶がある。
                 そこまでは緩やかな上り。

                 道は田園地帯をゆく気持ちのいい道だけど、ここまで走ってきてすっかり疲れてしまっていた。出発して30キロほどか。身体のさび落としは思いのほか負担が大きい。
                 ゆっくりとはしりながらいよいよ近づいてきたことがわかる。1番カーブの脇にカートのサーキット場がある。カートが走りまわる大きな音が聞こえてきたのだ。



                 ──通行止め?
                 一瞬目を疑ったけど、1番カーブまで行ってみるとバリケードが置かれていた。

                 車で来ているので葛生には戻らなくちゃいけない。しかしここが通れないとなればさっき見た県道282号。岩船まで戻り直す必要がある。ゆうに5キロ以上は戻されるのではないか。
                 この程度のバリケードはそのまま跨ぐことも僕の場合よくあった。好きでやっているようなもので、本当に行けないとなれば戻ればいいということをしていた。
                 でもなぜか今日は自転車を担いで跨ぐことをしなかった。なぜだろう、気持ちの問題。

                 僕は走ってきた道をまるまる戻った。
                 田んぼのなかの直線を緩やかに下る。
                 ロードが一台、すれ違った。
                 「この先、通行止めでした。葛生には抜けられません」
                 と僕は彼に告げた。彼は驚いたようにその脚をゆるめたようだった。

                 廻峠をもう一度越え、岩舟まで戻るころにはへとへとだった。さび落としはひどい疲労をともなっていた。



                謹賀新年 2014

                0
                   あけましておめでとうございます。
                   今年も無事、新年を迎えることができました。

                   新たな一年、事故なく安全に、楽しい旅ができますよう。





                   小さな感動を。よき感動を。2014年・元日。

                  国道と古い街並みと水郷/国道354号、125号を東へ

                  0
                     ふだんじゃあまり走ろうと思わない道も年末年始なら出かけてみようかと思う。特に大型車が多くて選ばないような道。きのう、やっと気温が上がり始めた10時過ぎ、多少でも風に乗れるかなと東へ向けて出発した。

                     野田橋で江戸川を渡り芽吹大橋で利根川を渡った。岩井、水海道からつくば、土浦へ、国道354号で。
                     土浦から国道125号で阿見、稲敷へ。
                     いずれの道も片側にふた筋のわだち掘れ、大型車による渋滞の証。今日もゼロではないけど多くない。

                     目的があったわけじゃないしどこまで行こうともはっきり決めていない。立ち止まりたいところがあったら止まろう。


                    筑波山を見ながらの国道354号
                    大型車が多く路肩がないからふだんはほとんど走らない


                    稲敷に入ったら昔ながらの街並み…こんな場所知らなかった
                    うだつや蔵


                    水郷で船の整備


                    国道125号がこんな風情の道に
                    新利根川沿い


                    潮来市内は旧道へ
                    古い街並みに長屋門


                    サトちゃんとか


                    鹿島神宮駅でおしまいにした


                    輪行、夕暮れに光る電車


                     門前は、初詣の準備であわただしかった。
                     鹿島神宮駅まで。

                    ◆◆◆


                     来年も、いろいろ立ち止まりながら(笑)。サイクリングを続けようっと──。

                    鬼平江戸処へ自転車で出向いてみたが…

                    0
                       「今はね、外からは入れないんですワ。高速道路からしか」

                       鬼平江戸処──時代小説「鬼平犯科帳」の世界観を街として実現したエリアが東北自動車道の羽生PA上り線にできて話題になっている。
                       埼玉県内でニュース性もあって、覗いてみるにはよさそうだと自転車でやってきてみたが入口が見つけられずウロウロすることになった。おそらく同じニュースを聞きつけてやって来たであろう乗用車が多く行き交う。やってきたみんなはどうしているのだろうと、道端にいた警備員にどこから入るのかを聞いてみたのだった。

                       「外から入れるだろうと、こう続々と車もやってくるんですけどね、事情を話して帰ってもらってるんです」
                       外部からも入れるようになるのは来年の春だという。

                       「段取り悪くてすみません」──今日、僕をここへ連れてきてくださったAさんが言う。すかさず答えた。「そんなことありません。来てみなければわかりませんし」
                       今回の企画、以前“旅情派サイクリング飲み会”でご一緒させていただいたAさんの、「羽生の鬼平に行ってみませんか」という呼びかけに応えてやってきた。
                       Aさんの呼びかけにあわせて、僕もそこは果たしてどんな場所なのかと調べてみた。nexcoのニュースリリースから報道各社での扱いまでかなり幅広く取り上げられていて驚いた。しかしながらPAが外部からでも利用できるのか、高速道路利用者のみの施設なのかはどこを探しても見つけられなかった。

                       今回、Aさんの企画に呼応したのは僕だけだったので結果的にふたり旅となった。塀の向こうにちらりと覗く鬼平江戸処の前で、道の駅おおとねでも行って食事しましょうか、とこのあとの行程を検討し、羽生PAを出発した。

                       県道60号を東へ向かった。
                       この道は利根川に沿って羽生と栗橋を結んでいる。ときおり左手にちらりちらりと利根川の大きな土手が見えた。
                       前を走っているAさんが止まった。「この古民家、味がありますね」
                       自転車にまたがりながら古民家を眺めていると、偶然にもその隣に農園併設のピザを出す店を見つけた。ちょうどいい、ここで食事をすることにした。
                       店は入れ代わり立ち代わり客足が途絶えることがなかった。僕らは石窯で焼いているというピザを食べた。やはりピザは石窯で焼くのがいい。おまけに農園で取れたものだろうか、野菜がたくさん載っていた。おいしく満腹になれる昼食はとても楽しい。
                       この店自体も古民家に手を入れたものであるようで、Aさんの目にとまった家と2軒並んで魅力的なたたずまいだった。
                       店を出て、写真を撮ったり隣の古民家に移ったり、道路の反対側から眺めたり。食事を終えてもその風情にしばらく足を止めていた。

                       昼食後の観賞・撮影会を終えてAさんと再び県道60号を走り始めた。

                       ──そういえばこんな場所がなかったっけ?
                       ふと頭をデジャヴのように横切る。あぁ先週の県道369号だ──。
                       ここに来るまでまったく思い出せずにいた。先週、大利根の埼玉大橋を渡り、板倉から明和、館林へと向かったときに走った、利根川左岸に沿う県道369号だ。同じように利根川の土手を片側に見つつ、川に並行する県道を進むところどころで風情ある街並みに出くわす。道をゆく雰囲気がよく似ていた。

                       走りながら、鮮やかな朱塗りの山門に惹きつけられ停車した。徳性寺と言った。その寺を含む周辺の小集落もまた時間がゆっくり流れるような街並みで、寺を見たり道沿いの商店を写真に収めたり、自転車を置いてしばし散策した。

                       利根川舟運──? ふとそんなことを思い付いた。僕は利根川の物流事情にまったく明るくないので想像になってしまうけれど、江戸の時代から江戸川や渡良瀬川など周辺の大河川群を含め舟運が盛んだったわけだし、明治以降蒸気船を用いた物流、旅客の巨大輸送網ができあがったことから考えれば、沿岸に古くから集落が点在していたことは想像に難くない。
                       そういった街がその時代時代のまま沿道に残り、ついつい目に留まるのかな……。

                       利根川両岸の地域は、走っていても田畑しかなく、そのあいだを貫く道があるだけだろうと思っていた場所だった。でも実際はこういった小集落が点在し、それぞれをつないでいる道があった。先週の左岸群馬側だけじゃなく右岸埼玉側でも同様だと知ったのは大きな収穫だった。

                      ◆◆◆


                       往路、緑のヘルシーロードを先導してくれたAさんを帰路、古利根川沿いの小道へご案内した。
                       旅情派を謳うAさんなれど、走りのポテンシャルは僕からすればアスリート。物足りない思いをさせてしまったのではとの思いと、引っ張られてふだんじゃあり得ないスピードで走った僕は全身の筋肉痛の不安を覚えつつ、今日のAさんの企画に感謝して別れた。Aさんは軽やかな走りであっという間に国道4号の車群の海に消えていった。


                      今回誘ってくださったAさん
                      しばらく走ると背中が遠くなってしまう…


                      農園を持つカフェ、「玄蕃ファーム」


                      いつまでも眺めていたくなる古民家


                      徳性寺そばの県道と街なみ
                      センターラインがあるのに車線外側線がない道路

                      ◆◆◆


                      利根川に沿う道、点在する街

                      0
                         日曜日。館林まで行くことになった。そこで自転車で行くことにした。

                         とても風の強い日だった。幸手から大利根へ抜けて埼玉大橋で利根川を越え、館林へ向かった。
                         強い風はどうやら北西から吹いているようだった。
                         だから北東に向かって走っていく幸手までは斜め前あるいは横から吹かれるようだった。幸手を過ぎると目指す方角は北西になった。真正面から風にあおられる。
                         埼玉大橋を渡るころにはもううんざりしていたし、周りに遮るものが何もない高い橋、自転車が風で暴れないようしっかり押さえている必要があって、気分も沈みがちだった。

                         埼玉大橋を下りると北川辺。ここから西へ向かう。
                         この利根川左岸(北側)には、利根川に付かず離れずの県道がある。
                         北川辺から板倉を経て明和へ向かう県道369号、明和から千代田を経由して大泉に至る県道38号と314号など、など。

                         これらの道がいい。素朴でかつ単調ではない道が続く。
                         古くからの小さな集落だったであろう街が点在している。旧街道筋でもないのだけれど、根づいた生活のある街が現れる。

                         街に入ると信号があったりする。その街唯一の信号だったりする。交差点名が街の名そのものだったりする。決して大きくない街はすぐに走り抜けてしまう。
                         街を抜けると田畑が広がる風景になる。そして何もないなかを何キロか走る。また小さな街に入る。

                         その展開が飽きさせない。この日は行かなかったけれど、千代田町まで行けば利根川を行き来する渡船があったりする。


                        赤城山を望みながら東北道を越える県369


                        ◆◆◆


                         この日は埼玉大橋を下りたのち、館林へ向かうために県道369号を西へ走った。
                         とはいえ、真正面の向かい風を受けながら走り続けるのは前向きさもさすがに起きてこない。県道369号を気持ちだけは何とか楽しむようにした。
                         館林へ向かうため、304号へ移った。
                         そして、着くには着いた。──とにかく、風が強かった。

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