今年もまた3月にダイヤ改正が行われる。
JR各社が3月15日と決めてダイヤを改正すると、私鉄各社もそれに横並びする例が多い。各社横に並んでせいのでやるのが面倒ないのか、それとも会社間乗り入れも多い昨今、JRが改正すれば地下鉄に波及し、あわせて地下鉄が改正すれば私鉄に波及し、結果的にみんなそろってダイヤ改正せざるを得ないのか、そのあたりは詳しくないのでわからないけれど。
この改正によって輪行はどう変わるか。僕の輪行視点で──。
寝台特急あけぼのが廃止になる。
定期運用廃止と言い多客期は臨時を出すようだけど、どうせ自然消滅を狙う遠距離恋愛みたいなものなんだろう。青森行きのはくつるだってそうやって消えていった。
あけぼので一度、輪行したことがある(記事:
青森県自転車旅 0日目 (2012-08-21))。あの日は満員だった。土壇場で取った寝台券も最後の一枚だった。今だって混んでいる日も結構あるとか。どちらかというと車両の老朽化と運行経費の問題なんだろうな夜行列車は。
夜行列車で輪行すると現地でその日の朝から走りだせるというのは魅力。とはいえ旅費だってかさむ(特急券と寝台券、それだけで一万円になる)から、飛行機をうまく使えば時間的にも費用的にもあまり変わらずにアクセスできる。周遊券などの輪行で使えてメリットの出そうなきっぷがほとんどない今、夜行列車を選択する理由もない。あけぼのに限れば秋田県や青森県がサイクリングの対象になる。いずれも新幹線だって飛行機だってあるから、なくなって困るというものではないというところ。
でも夜行列車のあの出発時の旅情はなかなか代えがたいものだけど。
その秋田へ向かう新幹線こまちがE6系に統一される。
これまでスーパーこまちと言われていたやつにすべて統一されるからスーパーと呼ばれなくなる。僕らからすれば使われる車両が何系であろうと変わらないのだけど、これによって変わるのは全席指定になることだ。
とりあえず東京駅に行って、ホームの自由席マークの前のほうに並んで、車両内最後列の席を確保して自転車を座席のうしろに放り込むってことができなくなる。座席指定を受けるときに、「いちばん後ろの席で」と窓口で言えばいいのだろうけど、突発的に出発したいときに困るだろうな。前日でも最後列の座席が空いているって厳しいだろうし。僕は去年、ひかりで輪行したけれどやはりそのときは自由席で最後列に座った。おととし青森にサイクリングした帰りの新幹線は全席指定で、窓口で聞いてみたものの最後列は空いていなかった。東北新幹線は厳しくなるなあ。はやて、はやぶさ、こまち──全席指定か……。
ただ僕にとっちゃあけぼのもこまちもたいした問題じゃない。夜行や新幹線で輪行するなど年に一度あるかなしかだからだ。だから*僕の*輪行視点で言えば気にするような影響はない。
どちらかというと中央本線の車両が気になる。
鉄道趣味者にとっても利用者にとっても大きな興味はないと思う。長野所属の115系電車が大幅に211系に置き換えられるらしい。すでに何編成かは入っていた211系だけどこれまで高尾にやってくることはなかった。しかし今度は長野から高尾の区間で運用されている車両に211系が充てられることになる。
加えて豊田所属の115系の一部も211系に置き換えられるとかられないとか……。
実際、これまで中央本線で高尾から先に輪行するときは115系しかなかった。輪行しづらい車両だった。乗務員室うしろまで座席があり定番の位置は使えない。こうなるとドア際の席に自転車を置くくらいしかない。いつでもどけられるように監視しながら空いている車いすスペースを使うこともあるけど、車いすスペースが必ずしも全列車にあるわけでなく(むしろ中央本線は付いている車両が少なかった)、おまけに輪行者の多い中央線では取り合い状態だったし、登山客の多い路線でもあるからザックが並んでいることもあった。みなここを狙っているのだ……。
そんな輪行に不向きの115系だったから、211系に換わることで良くなるといいのだけど、なかなかどうしてそうも思えない……。
211系は115系同様3つ扉の車両で、房総・総武地区や、東北線・高崎線でで使われていた車両がやってくる。おそらく座席はロングシートだ。そして乗務員室うしろ側にも座席があるのが115系から変わらないところ。
中央本線転属で車内に多少なり手は入るだろうから車いすスペースは全車に付くと勝手に想像するけれど、ここが取り合いになる状況は変わらない、期待できる場所ではない。
残るはこれまでどおりドア際のスペースだ。もうほぼここしか期待できないけれど、115系はセミクロスシートで211系はロングシートと予想される。その差が出るような気がする。
セミクロスシートであれば、輪行者以外の乗客(一般客とか観光客とかそして中央線と言えばやはり登山客)はまずボックス席から座る。ドア際の小さなロングシートは最後まで座席が空いていたわけだ。対してロングシートのみの車両であれば、座席の端から座っていく。これは首都圏どこでもふつうに見る光景だ。そう、僕らの最も欲しい位置が今度は最初に埋まるようになるのだ。
あともうひとつ、これまで115系は扉が半自動扱いの区間では重たいドアを手で開ける必要があった。しかし211系になれば間違いなくドアボタンになる。つまり一箇所のドアの両側二箇所あったターゲットスペースが、ドアボタンのある側には置くわけにもいかず、一箇所になってしまうということだ。
東北本線の宇都宮から黒磯のあいだ、211系の運用が205系の改造車に変更されたときもろ手を上げて喜んだのに、ここで中央線にしわ寄せられてしまった……。
今回のダイヤ改正は大半は新幹線の改正のよう。輪行に影響しそうなところはそうない。
と言っても今僕が知りえているのはJR各社だけで、たとえば最寄りの東武がどうなるかなどまだわかっていない。直通する地下鉄半蔵門線が改正するらしいから多少いじるかもしれないけれど、去年のような大きなかつ影響のある改正(区間快速の停車駅が変わって、日中は2時間に一本になるっていうビックリ)はたぶんないんじゃないかと思う。
また何か輪行にかかわるようなダイヤ改正があればここで。
廃止される寝台特急あけぼの
E6系統一で全車指定化のこまち
長野区大量置き換えで中央本線に現れるか?211系